8キロの巨体に刻まれた野良の記憶。来客に「唸って」家を守った愛すべき一匹の話

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猫なのに犬みたい?来客にうなって家を守った、忘れられない一匹の話

猫は警戒心の強い動物です。
人の足音や気配を察知すると、耳を立て、そっと隠れたり、距離を取ったりします。

来客があると、
ソファの下に潜る子、
別の部屋へ移動する子、
静かに様子をうかがう子。

それが、一般的にイメージされる猫の反応かもしれません。

けれど、私の家にはかつて、
まるで犬のように来客に反応する猫がいました。

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足音がすると「うーー」と低くうなる猫

その子は、すでに亡くなったオス猫です。
体重は8キロ級と大きく、見た目に反して動きはとても俊敏。
どこか愛嬌のある、不思議な魅力を持った子でした。

人が玄関に近づく足音が聞こえると、
その子は耳をピーンと立て、
低い声で「うーー」とうなります。

それは、猫が威嚇するときの「シャー」とは違い、
まるで犬が家を守るときのような反応でした。

私は、セントバーなど1匹とゴールデンレトリバー2匹と一緒に住み看取ってきたことがあります。
だから犬の反応はよく知ってるのですが、まさにそれなんです。

「ここは自分の場所だ」
そう言っているかのような態度だったのを、今でもよく覚えています。

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野良猫出身で、すでに年を重ねた猫だった

その子は野良猫出身でした。
我が家に来たときには、もう若いとは言えず、
歯も一本欠け、首や目にも生傷がありました。

外の世界で生きてきた証のような身体。
それでも、人と暮らすことを選び、
家の中で静かに日々を過ごしていました。

そんな背景があったからこそ、
「知らない人が来る」という状況に、
強く反応していたのかもしれません。

これは推測ですが、
外で生きてきた猫ほど、侵入者への警戒心が強い傾向があります。

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猫にも「家を守る」という役割意識があるのか

犬は、
人の足音に反応し、
うなり、
耳を立て、
家族や縄張りを守ろうとします。

猫はそこまでしない、
そう思われがちですが、
実際には猫にも強い縄張り意識があります。

その子は、
我が家を「自分の居場所」と認識し、
守ろうとしていたのではないでしょうか。

猫が警戒する方法は、
必ずしも隠れることだけではありません。

中には、
あえて前に出て、
存在を示す子もいる。

そのことを、その子は教えてくれました。

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猫は思っている以上に「個性の生き物」

同じ猫でも、
• 隠れる子
• 逃げる子
• 近づいて確認する子
• そして、うなる子

反応は本当にさまざまです。

特に野良出身の猫は、
外の世界で身につけた行動パターンを、
家の中に持ち込むことがあります。

それは問題行動ではなく、
その猫なりの生き方の名残なのだと思います。

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忘れられない「家を守る猫」

もうその子はいません。
けれど、来客の足音が聞こえたとき、
ふと、あの低いうなり声を思い出すことがあります。

猫なのに、犬みたいで、
少し不器用で、
でもとても頼もしかった一匹。

あの子がいた時間は、
確かに我が家を守ってくれていました。

猫は、
静かで、気ままで、
ときどき想像もしない一面を見せてくれる存在です。

それもまた、
猫と暮らす面白さなのかもしれません。