猫がくっつかないのは仲が悪いから?
15匹と暮らしてわかった「付かず離れず」という関係
YouTubeやInstagramで、
猫たちが何匹も寄り添って眠り、暖を取っている動画を見かけることがあります。
そんな光景を見ると、
「みんなすごく仲がいいんだな」
「うちの猫たちは、ああはならないけど大丈夫なのかな」
そう感じる方も多いのではないでしょうか。
私は現在、15匹の猫と暮らしています。
その多くは野良猫出身で、子猫の頃から同じ環境で育ったわけではありません。
そんな暮らしの中で感じているのは、
猫の関係性は、くっついているかどうかでは測れないということです。
猫はもともと「距離を選ぶ」生き物
猫は犬のように群れで行動する動物ではありません。
基本は単独行動で、距離感の取り方は一匹一匹まったく異なります。
- 誰かと一緒にいるのが好きな子
- 同じ空間にはいるけれど、一定の距離が必要な子
- 他の猫があまり好きではない子
- 猫自体が嫌いな猫
こうした違いは、性格だけでなく、それまで生きてきた環境にも大きく左右されます。
野良猫出身の猫たちが持つ「距離感」
私の家の猫たちは、外の世界で生きてきた子たちです。
外で暮らすということは、
主張しなければ居場所を失い、
譲りすぎれば生き残れない世界です。
その中で育った猫たちは、
- 無理に誰かと仲良くしない
- 危険を察知する距離感を大切にする
- 必要以上に近づかない知恵を持っている
そんな生存戦略を身につけています。
だから、家の中で一緒に暮らしていても、
常にくっついて寝る、ということはほとんどありません。
一緒にいない=仲が悪い、ではない
誤解されやすいのですが、
一緒に寝ないからといって、関係が悪いわけではありません。
- 殺し合うような喧嘩はしない
- 流血するほど争うこともない
- 互いの「嫌な距離」を理解して避けている
猫たちは馬鹿ではありません。
むしろとても賢く、付かず離れずで生活する術を知っています。
これは衝突を避けるための、成熟した関係とも言えます。
寝ぼけている時だけ、距離が曖昧になることも
面白いのは、
寝ぼけている時や、うとうとしている時です。
普段なら近づかない相手がそばにいても、
気づかずにそのまま眠っていることがあります。
完全に安心している空間だからこそ、
一瞬だけ警戒心が緩むのかもしれません。
それを見ていると、
「嫌いだから排除している」のではなく、
「距離を保つことで関係を壊さない」
そんな選択をしているのだと感じます。
猫同士の関係は「静かな共存」
猫たちがそれぞれの場所で眠り、
同じ空間にいながらも、無理に干渉しない。
それは決して失敗でも、不幸でもありません。
むしろ、
- 喧嘩をしない
- 無理をしない
- それぞれが落ち着いて過ごしている
これは、とても安定した多頭飼いの形です。
まとめ|くっつかなくても、ちゃんと暮らしている
• 猫がくっつかないのは、決して珍しいことではありません
•野良出身の猫は、特に自分なりの距離感を大切にします
•付かず離れずでいることは、猫にとって賢い共存の形です
•同じ空間で穏やかに過ごせていれば、それで十分なのだと思います
猫と暮らすということは、
人間の理想とする「仲良し」を押し付けることではなく、
その子なりの距離感を尊重することなのかもしれません。
我が家では今の寒い時期、夜になると、
おおまかに私のベッドに7匹から8匹の猫が集まり、
残りの子たちは、二つあるこたつのそれぞれのグループで眠ります。
みんな同じ場所にいるわけではありませんが、
それぞれが落ち着ける場所を選び、静かに夜を過ごしています。
そんな光景を見ながら、
私は今日も「これでいい」と思っています
