人は歳を重ねると、病気や病院の話が増えると言われます。
それとよく似たことが、動物と暮らしていると起こります。
気がつけば、動物病院の話、治療の噂、先生の評判――
そんな話題が自然と集まってくるようになるのです。
ただし、その多くは人づての話であり、
事実かどうかは確認できないことも少なくありません。
私自身、それを鵜呑みにしてよいのか、常に迷ってきました。
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終末期に迫られる、正解のない選択
動物の命が終わりに近づくとき、
飼い主はいくつもの選択を迫られます。
・治療を続けるのか
・自然に任せるのか
・苦痛が強い場合、医療的な判断を委ねるのか
どれを選んでも、
あとから「本当にこれでよかったのだろうか」と考えてしまいます。
通院させたことが、
逆に負担だったのではないか。
動かさず、静かに過ごさせた方がよかったのではないか。
こうした後悔は、
愛していなければ生まれません。
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動物の終末期は、飼い主の生活も削っていく
介護が続くと、
睡眠、仕事、心の余裕――
人間の生活も少しずつ削られていきます。
それでも「この子のために」と思い、
必死に判断を重ねていく。
その状態は、決してきれいごとではありません。
だからこそ、同じ経験をしている人に
「あなたは一人ではない」と伝えたいのです。
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まとめ:どの選択も、愛から生まれたもの
動物医療には限界があります。
すべてが報われるわけではありません。
人間と一緒です。
正解はありません。
けれど、向き合ったという事実だけは、確かに残るのです。
「この子がいなくなる生活なんて考えられない」と強く思いながら、
そして、その時が来たらあっけなく逝ってしまうのです。
