はじめに:猫風邪ってそんなに深刻なの?
猫を飼いはじめて驚いたことのひとつが、「猫風邪には特効薬がない」ということ。
しかも、一度かかるとウイルスが一生体に残るなんて、知らなかったという方も多いはずです。
この記事では、そんな「猫風邪」の基本と、**なぜワクチンが重要なのか?**を初心者でも分かりやすく解説します。
猫風邪の正体とは?
「猫風邪」は俗称で、正式には**猫上部気道感染症(Upper Respiratory Infection)**と呼ばれます。
主な原因は次のウイルスです:
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🦠 猫ヘルペスウイルス(FHV)
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🦠 猫カリシウイルス(FCV)
これらは人間には感染しませんが、猫同士では飛沫・接触などで高確率で感染します。
特効薬はない?治療法の実情
猫風邪はウイルス感染が多いため、インフルエンザのように「ウイルスを直接やっつける薬」は基本的に存在しません。
治療は主に以下のような対症療法になります:
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抗生物質(細菌の二次感染予防)
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点眼・点鼻薬
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インターフェロンや免疫賦活剤
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栄養補助と水分補給
猫自身の免疫力を高めて回復を待つのが中心です。
実は「ウイルスは一生体内に潜む」
特に猫ヘルペスウイルス(FHV-1)は、一度感染すると神経節に潜伏し、ストレスや免疫低下で再活性化することが知られています。
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元気なときは無症状でも
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引っ越しや手術、家族の不在などで
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再発してくしゃみ・目ヤニなどが再び出ることも
つまり、「完治」ではなく「うまく付き合っていく」病気という認識が必要です。
人間が水疱瘡になるとそのウイルスは神経に潜んでいて、免疫が落ちると帯状疱疹として出現するのと同じ原理です。
ワクチンは意味があるの?
「どうせ完治しないなら、ワクチンって意味あるの?」と思うかもしれませんが、ワクチンには以下の重要な効果があります:
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感染リスクを下げる(ただし100%ではない)
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感染しても軽症で済むことが多い
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重篤な合併症を防ぎやすくなる
特に子猫や高齢猫では命にかかわることもあるため、3種混合ワクチンなどの定期接種は非常に大切です。
まとめ:猫の健康を守るためにできること
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猫風邪には特効薬がない。だから予防と早期対応が鍵。
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一度感染すると体内にウイルスが潜む場合がある。
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ワクチンは**「感染しない」ではなく「重症化を防ぐ」ための手段**。
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だからこそ、ワクチン接種は猫の命を守る最前線なのです。