猫と暮らすと「見える世界」が変わる
猫と暮らし始めた頃、
私は正直、野良猫を見てもほとんど何も分かりませんでした。
黒猫が何匹いても、
「全部同じ顔」に見えていたし、
体重や年齢なんて想像もつかなかった。
せいぜい分かるのは、
鼻水が出ている、
目やにがひどい、
明らかに体調が悪そう、
そのくらいです。
ところが今は違います。
15匹と暮らすようになって変わった「見え方」
常に15匹の猫と生活していると、
自然と猫を観察する時間が圧倒的に増えます。
すると、外で野良猫を見かけた瞬間に、
- あ、この子は毛並みが悪いから体調悪いかも
- 体重は4キロ前後かな
- この子は8キロ級だな
- 黒猫でも顔が尖っている子だな
- ほっぺたがぶっと膨れてるから成猫オス
- 歩き方が少しおかしい、後ろ足を引きずっている感じがする
- 痩せている、若い子だ
-
発情期に近そうだな
-
警戒心が強そうな表情をしている
こんな情報が、一瞬で頭に入ってくるようになります。
自分でも不思議ですが、
まるでドラゴンボールのスカウターのように、
数値がパッと表示される感覚です。
顔の違いが「瞬時にわかる」ようになる理由
猫を飼っていない頃は、
- 黒猫は全部同じに見える
- 顔の違いなんて分からない
そう思っていました。
けれど猫と暮らしていると、
- 骨格
- 頬の厚み
- 目の位置
- 鼻筋
- 耳の立ち方
- 毛並み
こうした細かい違いを、
無意識に見分けるようになります。
これは才能ではありません。
毎日見ているから身につく感覚です。
状態の良し悪しは「数字」より先に伝わってくる
体重計で測らなくても、
- 抱いたときの重さ
- 歩き方
- 毛の艶
- 表情
これらで、その猫の状態が分かるようになります。
もちろん、正確な数値は病院でしか分かりません。
けれど、
「この子はちょっと危ない」
「この子は今は元気」
そうした判断は、
日常的に猫を見ている人ほど早くなると思います。
最初は、誰でも分からない
大切なのは、
「最初は分からなくて当たり前」だということ。
私も最初は、
犬と一緒に過ごしたことなかったし、
茶色の猫が5匹並んだときには、おそらく顔の違いがわからなかったと思います
それでも一緒に暮らし、
観察し、触れ、世話をする中で、
少しずつ見える世界が変わっていったのです。
猫と暮らすということは、観察力を育てること
猫と一緒に生きるというのは、
ただ可愛がることだけではありません。
- 見る力
- 気づく力
- 違和感を感じ取る力
そうしたものが、
静かに、確実に育っていきます。
外で野良猫を見たとき、
「この子は大丈夫かな」と思えるようになったなら、
それはもう、猫と暮らす人の目になっている証拠です。
まとめ
- 猫と長く暮らすと、状態が一瞬で分かるようになる
- 顔や体格の違いは、毎日の観察で自然に身につく
- 最初は誰でも分からない
- 猫との生活は、見る力を育ててくれる
猫と暮らす時間は、
人の感覚そのものを変えていきます。
それもまた、
猫と生きる面白さなのかもしれません。
謎の能力に目覚めたような感覚になることもありますが、
それでも自分の判断を過信しないようにしています。
何かあったときに一番大切なのは、
迷わず信頼できる獣医師に相談することだと思っています。
