痩せ細った薄汚れた野良猫を見かけると、かわいそうだと思う。
お腹を空かせていないだろうか。
寒さに震えていないだろうか。
病気やけがをしていないだろうか。
そんな姿を見れば、助けてあげたいと思う人もいるでしょう。
けれど、野良猫を助けるということは、ただ「かわいそう」と思うことだけではできません。
誰かが助けてくれるだろう。
誰かがお金を出してくれるだろう。
動物愛護団体にお願いすれば、何とかしてくれるだろう。
そう考えているだけでは、目の前の猫を助けられないことがあります。
もちろん、自分ひとりですべてを背負う必要はありません。動物愛護団体や地域のボランティア、獣医師など、協力してくれる人たちの力を借りることも大切です。
ただ、誰かに助けてもらうにしても、最初に自分が動かなければ何も始まらないことがあります。
猫を保護するなら、捕獲の準備が必要です。避妊・去勢手術やワクチン、ウイルス検査など、医療にかかる費用も考えなければなりません。
私は、野良猫を1匹保護するときには、5万円を用意するつもりでいます。
もちろん、実際にかかる金額は猫の状態や地域、病院によって異なります。それでも、猫を助けるにはお金が必要だということを、私は自分の経験から知っています。
「かわいそうだから、誰か何とかしてあげて」
そう願う気持ちを否定したいわけではありません。
けれど、助けるために必要なお金や手間を、すべて誰かに任せてしまったらどうでしょう。
助けたいと思っている人がいても、引き受ける側にも生活があり、限られた資金や人手のなかで活動しています。動物愛護団体だって、無限に猫を引き取れるわけではありません。
猫を助けたいと思うなら、まず自分に何ができるのかを考えてみる。
保護することが難しければ、医療費を支援する。地域の保護活動について調べる。必要な物資を届ける。安全に配慮しながら、適切な相談先につなぐ。
助け方は、ひとつではありません。
大切なのは、誰かがやってくれるのを待つだけで終わらせないことだと思います。
野良猫がかわいそうだと思う気持ち。
その気持ちを、ほんの少しでも行動に変えられたら、目の前の猫の未来が変わるかもしれません。
猫を助けることは、きれいごとだけでは済まない現実があります。
だからこそ、かわいそうという気持ちだけで終わらせず、自分にできることを考える。
私は、そんな小さな一歩が、猫を助けることにつながっていくのだと思っています。
